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月例研究会の報告
2006年9月19日(火)

女性起業家の動向
 講師:日本ベンチャー学会 事務局長 田村 真理子

パワーハラスメントと経営
 講師:(株)クオレシーキューブ 代表取締役 岡田 康子

コーディネーター:
 早稲田大学大学院 アジア太平洋研究科 教授 大江 建

↑講師名(敬称略)をクリックすると、講演サマリーへジャンプします

 

日本ベンチャー学会 田村氏
日本ベンチャー学会 田村氏

 

 

月例研究会風景

 

クオレ・シー・キューブ 岡田氏
クオレ・シー・キューブ 岡田氏

女性起業家の動向
日本ベンチャー学会 事務局長 田村真理子氏

 15年近く女性起業家の取材を続けている.「女性の起業家が増えた」といわれているが,実際,女性起業家への新規開業の融資件数も,1999年の1315件から2005年には5583件へと顕著に増加している.

 女性起業家が増えた背景として二つの要因が考えられる.一つ目は女性の主体性の変化である.近年の女性は,高学歴,高い就職志望,留学を含む豊富な経験をもつ人が増えた.能力発揮を求める女性が,仕事を継続するための選択肢のひとつとして,起業が身近になってきたといえる.二つ目は産業構造の変化である.ハードからソフト,モノからサービス,量から質など,購買スタイルの変化は,女性の起業機会となった.また高齢化問題や環境問題,地域的視点が求められる市場では,女性ならではの消費者としての優れた感性が求められる.これらの変化を基盤として,女性が活発に社会進出するようになったことが,今日の起業増加に繋がった.

 女性起業家は,男性起業家と同様に教育や勤務先での経験を通じて事業シーズを得ているほか,日常生活や趣味,習い事を通じて見出していることが特徴的だ.例えば,介護の経験を通した起業,試食体験を活かした情報ポータル運営,自身の芸能活動をきっかけとした起業,試供品の利用にアイデアを得たB to Cの仕組みづくりなどが挙げられる.またIT技術は労働形態の多様化を可能にしたが,女性起業家にとってもさらに面白い事業を起こす基盤となろう.

 これからの課題として,女性起業家や企業でのキャリアが長い女性によるメンター制度など,プロの視点で女性起業家を支援していくことが必要である.

日本ベンチャー学会
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パワーハラスメントと経営
(株)クオレ・シー・キューブ 代表取締役 岡田康子氏

 女性が働き続けるためには,家事・育児・介護など様々な支援が必要になる.これらの代行や研究,サービスを事業内容として,18年前にクオレ・シー・キューブを起業した.

 1999年の法改正を機に,起業からセクシャルハラスメントについての講演や研修を請け負うようになった.そのとき,女性は業務外の要求をセクシャルハラスメントとして断ることができるが,男性にはできないという声があった.そこでセクシャルハラスメントとは別のハラスメントの存在に気がつき,2001年に「パワーハラスメント(以下パワハラ)」という言葉を作った.

 パワハラとは「職権などのパワーを背景にして,本来業務の適正な範囲を超えて,継続的に人格や尊厳を侵害する言動を行い,就労者の働く環境を悪化させる,あるいは雇用不安を与えること」である.パワハラは,権限が集中しているところ,閉鎖的な職場,忙しすぎる,暇すぎる,不明確なマネジメント,不安定な職場などによく見られる.

 パワハラが個人に与える悪影響の一つとして,心の健康への害が挙げられる.実際に,パワハラが原因となった過労死も起きており,労災認定されている.パワハラ被害者は,怒りや悔しさを拭い去ることが難しく,不安や絶望感から業務に支障がでたり,身体に症状が現れたりすることがある.これらは処罰のみで解決できる問題ではない.また企業にとっても,人材の流出,職場の士気低下,企業イメージの低下,隠蔽体質の醸成など,様々な悪影響を及ぼす.

 このようなパワハラに対して,教育機会を設けたりガイドライン作成したりするなど,現在対策が進められている.

株式会社クオレ・シー・キューブ
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