イメージメディア研究と事業化
早稲田大学大学院情報生産システム研究科 鎌田教授
画像圧縮技術はJPEGおよびMPEGの普及が進んでおり,さらなる技術開発の必要性が広く認識されていない.しかし従来研究には,圧縮方式由来の画像のぼけ,人物画像の高速検索の難しさ,方式が公表されていることによる情報漏洩の可能性など,様々な課題が残されている.特にMPEGは,圧縮の際に失われたエッジの情報により画像がぼやけてしまうという弱点がある.また検索に関しても,画像に戻して検索するため時間がかかるという問題点があった.
この問題に対応すべく開発した独自の動画圧縮技術は,動画の局所性に注目した走査方法に特徴がある.動画画面を分割し,最適な走査パターンを選択的に適用することで,圧縮による画像の質の低下を避けることが可能となった.このことにより,例えば動いている文字が読めるなど,証拠能力のある映像を残すことが可能になった.また画像検索技術も開発を行い,画像の圧縮データ(1/20〜1/200圧縮)をデータベースに蓄積し,そのデータに検索をかけることで時間短縮を可能にした.
これら圧縮技術・画像検索技術をもとに, 2006年に学生と共に起業を果たした.近年の生活安全への意識の高まりを受け,遠隔監視等のセキュリティシステム市場を対象としたビジネスを行っている.
→鎌田清一郎教授紹介
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早稲田大学の新しい展開
〜北部九州における生産管理リーダー育成プログラム〜
早稲田大学理工学術院 片山教授
経済産業省産学連携製造中核人材育成事業として,北部九州における生産管理リーダー育成プログラムを立ち上げた.年間100万台の生産規模をもつものの地場工場が利用されていない,という当該地区における現状を踏まえ,地場工場と自動車産業を繋ぐ生産管理中核人材を養成することを目標としている.
昨年度はプログラム策定に先立ち,産業界ニーズ調査を行った.その結果から,生産管理人材には,生産品質・IT・SCM・環境・知財の見識が求められることが明らかとなった.そこでプログラムには,これら5つの見識を深めるための各見識別コースと,現場で活かせる見識の獲得を目指した各コース共通の現場研修を設定した.また,役職や機能の違いに対応するため,ベーシックレベル(工場の職長,工程リーダーおよびその予備軍),アドバンスドレベル(ベーシックレベル修了者,工場長,副工場長,生産管理担当重役クラスおよびその予備軍)の2コースを用意した.
プログラムには複数の大手自動車メーカーおよび地元企業が協賛しており,平成18年度は実施に向けた具体的なプログラムの開発を進める予定である.
→生産管理学研究室
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