プロップジーン 川口氏 講演サマリー
株式会社プロップジーンは、2004年1月に設立され(資本金8,450万円)、現在東京農工大のインキュベーション施設内で臨床用マイクロアレイ(DNAチップ)や試薬の開発を行っている。
同社では、東京農工大および医療関係機関からの指導・協力のもとに、染色体解析マイクロアレイ、感染症解析マイクロアレイ、白血病遺伝子定量試薬などを開発。同社の製品は競合と比べても、価格面・解像度・解析に要する日数など、すべてにおいて優れている。
その一方、同社の最大の課題は「研究進捗のスピードアップ」だと言う。研究の進捗管理はどの企業でも求められることだが、ベンチャー企業にとっては、まず第一に研究を進めるための資金が必要であり(資金調達力)、優秀な研究員・検査人員の確保も併せて重要となるため、殊更、容易ではない。
以上の点(資金調達力・スタッフ確保)は、「販売先の確保」と併せて、大学発ベンチャー企業全般にとって不足している3要素だと言える。
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ディナベック 井上氏 講演サマリー
ディナベック株式会社(長谷川 護社長)は国家プロジェクトであった株式会社ディナベック研究所のベクター技術を独占的に継承し、遺伝子治療製剤開発、遺伝子ワクチン開発、組換えタンパク製造、遺伝子・タンパク質の機能解析などのバイオ事業や、プラットフォーム技術としてのベクター技術の開発を行っている。2003年9月に設立され、資本金10億7915万円、従業員数35名で、茨城県つくば市に2ヶ所の研究所がある。
ベクターとは、様々な遺伝子を細胞の中に届ける「運び屋」で、遺伝子治療等の根幹となる技術である。このベクター技術を基礎にして、現在、閉塞性動脈硬化症(血管新生)や脳腫瘍の遺伝子治療製剤、エイズ用やアルツハイマー病治療用の遺伝子ワクチン等を開発中で、平成27年以降に上市される予定である。
また、グローバル市場も設立当初から視野に入れており、コア技術のセンダイウィルスベクターに関する基本特許は日・米・欧・中で出願し、事実上、独占状態である。
他のベクターと比べても優位性のあるコア技術を有し、特許による知財戦略も配しており、技術力は高いが、バイオベンチャーは事業化までに、臨床試験などを含め、長い時間と多額の資金を必要とするため、如何に製品を上市できるまで資金を枯渇することなく、研究を続けられるかということが大きな課題となる。そのため同社は、国内外の有力大学、研究機関や製薬企業との共同研究・開発を積極的に進めている。
→ ディナベック株式会社
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