2007年7月28日(土)・29日(日)
於:財団法人 社会経済生産性本部 IPC生産性国際交流センター
●7月28日(土) ------------- チェックイン -------------- 講演 「ニーズ型社会における持続的経営」 (独)中小企業基盤整備機構 理事 後藤 芳一 コーディネーター:(独)中小企業基盤整備機構??????????????????????? --------------- 質疑応答 --------------- 夕食・懇親会
●7月29日(日) ----------------- 朝食 ----------------- 「アントレプレヌール研究会メンバーの近況報告と問題提起」 コーディネーター:WERU 代表理事 柳 孝一 ------------ コーヒーブレイク ------------ 「2007年早稲田大学アントレプレヌール研究会活動計画」 コーディネーター:WERU代表理事 大江 建 ----------------- 昼食 ----------------- ----------------- 解散 ----------------- 近況報告 「アントレプレヌール研究会メンバーの近況報告と問題提起」 コーディネーター: WERU代表理事 柳 孝一 嶋田 茂(シダックス(株)会長室会長補佐 西澤 民夫(中小企業・ベンチャー総合支援センター プロジェクトマネジャー) 上篠 正夫 (テクノベンチャー(株)元社長) 白倉 至 (白倉会計事務所 所長) 下野 武司 (城西大学大学院 教授) 持丸 邦子 (城西大学大学院 講師) 高津 晴彦 (地域イノベーション推進研究会 事務局長) 山下 章 ((財)川崎市産業振興財団 インキュベーション・マネジャー) 西山 茂 (早稲田大学大学院 教授) 東出 浩教 (早稲田大学大学院 教授) 川口 竜二 (先端科学・健康医療融合研究機構) 柳 孝一 (早稲田大学大学院 教授) |
講演 「ニーズ型社会における持続的経営」
イントロダクション 中小企業基盤整備機構では,中小企業・ベンチャー支援の様々な施策を扱っている.施策の具体的な内容は,専門家による資金調達・公的支援・知的財産などについての相談窓口,ベンチャー・創業支援関連制度などの情報提供,専門家の派遣,投資家・提携先とのマッチングや販路開拓支援のためのベンチャープラザなどの開催,投資事業有限責任組合への出資・新事業開拓への助成金などである.また,起業を促進するための施策もある.例えば,Japan Venture Awardsは,起業家のみならず,起業支援家や地域貢献のある団体への表彰を行っている.日本全国には332のインキュベーション施設があるが,そのうち30が中小企業機構のものである.インキュベーション・マネジャーを育成する研修や,専門家・支援者人材ネットワークの形成,ファンド出資をしている. 本題:今後の社会と持続的経営−ニーズ型社会における新事業創出− わが国の産業政策における規範は,社会の成熟化とともに変化してきている.1970年代以前は,殖産興業,傾斜生産方式,重化学工業化にみられるように,効率指向であった.その後,資源小国を克服し経済大国として経済貢献するようになると,ゆとりと豊かさが生まれて生活大国となった.そして効率だけの産業ではなく,公正さが求められるようになった.今後は,少子高齢化や貧困といった社会的課題を視野にいれた「社会ニーズに対応する規範」が求められると考えられる. このような状況下での事業機会を考えると,大きく4つに分類できる.事業種類と事業規模により,4×4のマトリクス上で分類することができる. まず事業種類が基盤型(金型やプレスなどの加工)で事業規模が伝統的な枠組みであるものは,いわゆる基盤技術である.次に,事業種類が経済型(自動車,情報などの組み立て・プロセス)で,事業規模が日本における新規範を提示するものは,エンジニアリングである.これらの二つは,旧分野の事業であるが,新視点を提示する事業機会である. つぎに,事業種類がモノ・サービスの社会型事業が日本や世界規模で新規範を提示する場合,福祉用具やバリアフリーに代表される高齢者・福祉事業と環境事業となる.最後に,CSRや哲学等経営理念に依拠する持続型事業が日本もしくは世界レベルで新規範を提示する場合,社会へのコミットをする事業となる.これら二つの共通点は新分野であるが,前者は旧視点,後者は新視点を持つ点でことなる.基盤型−伝統的枠組みの事業機会において,今後競争力をもつ企業は,デファクトスタンダードが作れる企業である.知名度は全国レベルでなくても,秀でた製品を生み出す中小企業が地方にはある. 中小企業基盤整備機構では,このような企業を全国から300社抽出し,出版物としてまとめた.また中小企業庁のHPからも,これらの企業情報が閲覧できるので参考にしていただきたい. 基盤技術を有する中小企業は,様々な先端新産業分野の下支えとなっている.ところが,このような基盤技術が安易に海外に流出してしまうことは,歯槽膿漏のように日本の産業の土台が不安定となる可能性を示唆する.そこで,特定基盤技術として17技術を指定し,国として保護・支援している.これまでの地域・中小企業支援は,トップグループの企業に注力されてきた.しかし,支援を効果的なものにするためには,トップグループに属さない中小企業に目を向けていく必要がある. また,中小企業の取引関係も変化している.以前は発注側,受注側(中小企業)に「川上・川下」と例えられる階層関係があった.しかし現在は,複数の発注側と複数の受注側で交互に取引関係を結ぶ「メッシュ構造」へと変化している.このような変化は,事業支援の方法へも変化を求める.新たなアプローチとして,地域レベルでネットワークを築き,ネットワーク同士で取引関係を築く川上・川下ネットワークが想定される. その他の事業機会についても,それぞれ顕著な動きが見られる.例えば,社会型で日本および世界規模で展開する事業として,高齢者・福祉分野が挙げられる.日本には,点字両面マルチプリンターや,水圧式入浴介護支援リフトなど,優れた製品を送り出す中小企業がある.障害を持つ人がどのような困難に直面するか,という顧客の視点にたって,製品開発をする事例が多々見られる.また,環境や社会貢献は,企業活動での重要な柱となってきた. 全体ディスカッション 「2006年早稲田大学アントレプレヌール研究会活動計画」 コーディネーター:WERU代表理事 大江 建 早稲田大学は,世界に冠たるEntrepreneurial Universityになろうとしている.今後は,早稲田大学アントレプレヌール研究会・インキュベーション推進室・WERUインベストとの三者協力体制で,Entrepreneurial Universityのエンジンとして役割を果たしていく.そのためには,「人」「物」「金」を融合する必要がある. 大学発ベンチャーは,社内ベンチャーや独立ベンチャーよりも難しい.成功させるためには,新しいモデルが必要である.具体的には,経営系と理科系の人材の融合による研究成果の事業家や,MBA生や学生によるイベント運営,OBも経営チームへ参加を促すヘッドハンティングなどが挙げられる. 2007年度は,アジアMOOT・CORP,国際シンポジウムやベンチャーフォーラムの開催,夏合宿のほか,いくつか新たなプロジェクトを発足することができた.すでに打診中の活動案もある. 国際シンポジウムとベンチャーフォーラムでは,目標としていた事業計画案50件を達成した.しかし,入場者に関しては250名を目標とし,今後も参加を促進したい.運営を学生に移管するなど,活性化の必要もあろう. 早稲田大学は日本最大の女子大学でもある.女子学生の起業家育成を支援していく.具体的には,10月18日午後6時からリーガルロイヤルホテルで,本学での女子学生起業家クラブを立ち上げ交流会を開催する準備をしている.キーノートスピーチなど詳細もつめている. また,バブソン大学よりファミリー企業研究プロジェクトへの参加打診があった.研究費や旅費などの予算,博士・修士論文や研究論文などの可能性も含めて,参加の方向で検討している. 起業家養成講座については,今後も寄附講座を開催していく.また会員への情報発信の頻度を向上させる. また,本年度からインキュベーション推進室との連携も始まったが,研究者や大学院生を対象とした事業計画作成のためのTechnology Bootキャンプ開催を始めた.これは,技術シードをもつ研究者や大学院生に対して,ビジネススクールの大学院生やインキュベーションマネジャー,コンサルタントがブレインストーミングやコンサルテーションを行うキャンプである.5月には本庄キャンパスで環境関連技術シードのキャンプを開催した.6月には西早稲田キャンパスで医療・健康のキャンプを開催した.10月には大久保キャンパスでIT関連のキャンプ,11月には北九州ひびきのキャンパスで半導体関連のキャンプを予定している.ブレインストーミングに参加するMBA生の学習機会にもなっている.WERUとしても会員の参加を支援している. インキュベーション推進室での顕著な活動として,墨田区との連携活動の一つとして「一工場一技術」プログラムを提案している.ASEAN各国と中心的大学と連携して,COBLAS(Consulting Based Learning for ASEAN SMEs)プログラムを推進して,ASEAN共通の起業家カリキュラムや教材を開発している.これらの活動にもWERUとして積極的に支援していく予定にしている. |
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