2009年11月27日(金)
参加費:無料 (懇親会費 2,000円)
会場:早稲田大学大隈講堂 地下1階 小講堂
共催:早稲田大学アントレプレヌール研究会,
早稲田大学 産学官研究推進センター/インキュベーション推進室
後援:日本ベンチャー学会,財団法人 日本立地センター,
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
協賛:ウエルインベストメント(株),
Dr. Robert J. Shillman Entrepreneurship Program
WERU代表理事・早稲田大学大学院教授
柳 孝一
リーマンショックから触発された100年に一回の不況とも言われている厳しい現状のなか、一時的な混乱は収拾されたかに見える一方で、日本経済においては、デフレーションスパイラルが大いに懸念されている。このような昨今の不況のもと、いわゆる強欲資本主義と代弁される米国式の経済システムの見直しを求める声が高まりつつあり、我々は今まさに従来とは異なった企業倫理や経済システムを根底にする新たなパラダイムが問われる時代にきている。しかし、注意すべき点は、米国式の経済システムの崩壊が、必ずしも経済のグローバル化の破綻を意味するものではないということである。BRICsを中心とした政治と経済の多極化傾向がもたらしたグローバル化の進展は、今後さらに加速すると認識すべきである。
今回の国際シンポジウムでは、「日本ベンチャー企業、ボーングローバルについての課題と戦略」をテーマにし、厳しい世界経済の中で、日本のベンチャー企業が取り組むべき課題やその解決策を明確に示すための一つの大きな試みになることを期待している。特に、ベンチャーの概念を語っていく上で、グローバル化というキーワードに関連づけて考えると、個々のベンチャー企業は、生まれたときから世界と競争するといっても過言ではなかろう。しかしながら、依然として続いている厳しい経営環境のもと、起業への意志は大きく萎縮されており、起業を考える側とそれらを支援する側を共に活性化させるための打開策は未だ暗中模索の状況にある。そういった意味では、起業への支援主体として大学が果たすべき役割はさらに増しているともいえる。今年で17年目を迎える早稲田大学アントレプレヌール研究会は、ベンチャーやアントレプレヌールシップという言葉が日本に定着する前から企業と共にこのような問題に積極的に取り組んできており、グローバル化が進む昨今の経営環境における新たなパラダイムを提案するための努力を重ねてきた。
このように、大きなパラダイムの変化が求められる時代を背景にして開催された今回の国際シンポジウムでは、(株)ブイキューブの間下氏と(株)フィックスターズの長谷川氏の基調講演により、それぞれのグローバル戦略の真髄を紹介していただく一方、パネルディスカッションを通じて、ボーングローバルに関する課題とその具体的戦略を考察することで、これからの時代に求められるベンチャー経営の新たなパラダイムとは何かを一層明確に示していきたい。
株式会社ブイキューブ 代表取締役社長
間下直晃氏
1998年に設立され、今年で創業12年目となる(株)ブイキューブは、主にウェブ会議やオンラインセミナーなどのビジュアルコミュニケーション・ツールをビジネスモデルとして展開している会社である。
同社が提供しているウェブ会議ツールは現在数多くの企業で導入しているテレビ会議のインターネット版であり、専用機器なしで遠隔会議が可能になるため、初期コストを大幅に削減できるということで注目を浴びている。同様の技術を応用すれば、近年アメリカを中心に急速に市場が広がっているオンラインセミナーやオンライン教育分野を通じて、コミュニケーション・コストを最小限に押さえつつ、最大のコミュニケーション効果を実現できるようになる。特に、このようなビジュアルコミュニケーション・ツールの効果は、電話などの既存のコミュニケーションツールに比べ、圧倒的な認知能力の向上が期待できるとされており、オフラインにおける教育インフラをそのままウェブ上で実現することができるということで、米国ではすでに幅広く普及されており、日本でもその市場が著しく伸びている。
ウェブ会議を中心に急成長を遂げているビジュアルコミュニケーション市場は、移動時間の節約による業務効率化の側面の他、原油価格の急騰や環境問題、そして近年のパンデミックへの危機感がもたらした移動距離削減に対するニーズを背景にしており、同業各社では、このようなコミュニケーションにおける距離と時間の壁をいかに乗り越えるかが共通のビジネス目標として認識されている。
競争が激化しているビジュアルコミュニケーション市場においてブイキューブは、移動にかかる無駄なコストを削減し、業務効率を向上させるという業界共通の一般的ニーズを満たす一方で、コミュニケーションツールをウェブ上に具現することで、専用機器や専用ソフトのインストールにかかるイニシャルコストを大幅に押さえるといった使用利便性の向上、そしてアップデートによるきめ細かなカスタマイズができることを主な差別化要因として諸戦略に活かしている。なお、Co2の削減状況を表示するエコメータを無償で提供することで、ユーザーに付随的使用便益を認知させていることも競合他社とは異なった差別化要因として機能している。
ブイキューブのグローバル戦略は、大きく異文化と類似文化にその戦略的方向性が大別されており、それぞれの市場において積み重ねてきた戦略的経験知をビジネスモデルの特価作業に活かしている。たとえば、アジアを中心とした類似文化圏では、日本と同様、対面式のコミュニケーションが好まれており、日本市場における実績と試行錯誤の成果を当該市場の今後の変化の予測に反映しつつ、メイン市場での戦略展開が可能であるのに対し、ほとんどの会議を電話で行っているアメリカ市場において、ウェブ会議というビジュアルコミュニケーション・ツールは、あくまでも電話会議の支援ツールにすぎず、メインストリームで戦うよりは、顧客にウェブ会議の使用便益を積極的に認知させ、ニッチ市場から徐々にメイン市場に拡大していくといった戦略的構造を構築しようと試みている。
グローバル戦略の展開において解決すべき課題には、当然現地人材の確保や言語の問題などがあげられるが、いずれの市場においても最大のネックとなるのが、現地における信頼度の確保である。米国市場においては、インテルのような現地の有名企業と提携を結ぶことでこの問題の解決に取り組んでいる。幸い、日本企業の対外信頼度は比較的高く、その分、海外における事業展開が容易である。長き不況により国内市場が萎縮されている今、このような対外信頼度の高さは、日本企業の海外展開に大いに役立つ刺激要因となるであろう。
ブイキューブは、今後電話やメールが主流であった従来の遠隔コミュニケーションとフェースtoフェースのコミュニケーションの間を埋める新しいコミュニケーションの形態を諸ビジネスモデルの軸として展開するといったビジュアルコミュニケーション事業に特化することで、コミュニケーションにおけるライフスタイルをより豊かなステージに移行させるための努力を重ねていきたい。
株式会社フィックスターズ 代表取締役会長
長谷川智彦氏
2002年世界トップのソフトウェア会社を目指し創業した(株)フィックスターズは、2004年マルチコア技術開発部を設立したことをきっかけに、CELL/B.E.プログラムの開発や販売を主要事業として展開している。当初CELL/B.E.プログラム事業に進出したのは、将来の成長可能性を見込んでいた取引先の要望に応じた形で始めたことであり、戦略的必要性によるものではなかったものの、それらの事業体をビジネスチャンスに反映することで、現在はこの事業により戦略的オリジナリティを確保し、それに伴い事業目標も明確になってきた。その結果、ハイテクベンチャー企業にとって最重要課題ともいえる優秀な人材の確保が容易になり、今や当該分野における更なる成長の原動力を絶えず見出せる組織的仕組みの構築につながっている。
マルチコアプロセッサは、シングルコアプロセッサのもつ演算能力の限界を克服するべく開発されたもので、複数のコアが搭載されたマイクロプロセッサであり、ゲーム機からスーパーコンピュータまで幅広く利用されている技術である。当社は、このようなマルチコアというハードウェアの上で最適化されるプログラムの開発分野に特化したソフトウェア会社である。
注力分野は4つの事業からなっており、それぞれファイナンス産業に応用されるシミュレーション分野とデジタルメディア、ヘルスケア、そしてインダストリに用いられる画像処理分野に分けられる。そのいずれもCELL/B.E.の技術を用いて演算能力を高速化させ、情報処理の効率性を高めることで、業務効率化を実現すると共に、システム運用におけるランニングコストの削減に決定的役割を果たすものとなっている。
セルが搭載された商品の売れ行きが低迷する一方で、セルの性能は年々飛躍的な進歩を遂げ、関連ソフトの販売は米国市場を中心に好調であったため、2008年に海外展開の一環として米国のYDL(マルチコアに適したOSの一種)関連会社を買収し、ハードウェアからサービスまで一貫したトータルソリューションサービスを提供する事業体制を整えてきたものの、リーマンショックの影響を受け、創業以来初となる連携赤字を記録するなど、苦戦を強いられている。今後においても為替変動に伴うリスク要因が関連事業の阻害要因になると懸念されているが、急速に変化するグローバルマーケットでは何よりも意思決定の速さが求められている。特にベンチャー経営においては、変化に対応した素早い意思決定から見出される戦略的便益が、リスクを回避することで得られる効用を遥かに上回るという信念のもと、当ビジネスモデルの収益構造の確立に積極的に取り組んでいる。無論、それを実現するためには、市場から与えられた情報をきめ細かく分析し、それらの情報を戦略立案に反映させることが先決されるべきであり、このように経営上の意思決定を迅速かつ的確に行うことは、リスク要因がもたらしかねない負の効用を埋め合わせるに十分なメリットをもっている。その意味で、マルチコアプログラミング技術の世界トップカンパニーを目指す「リスクを恐れない」フィックスターズの挑戦はまだまだ進行形であるといえる。
今回のパネルディスカッションでは、「ボーングローバルについての課題と戦略」をテーマに、WERUの代表理事である東出教授の司会のもと、(株)カプコンの取締役常務執行役員CFOの阿部和彦氏と(株)フィックスターズ代表取締役会長の長谷川晃彦氏、そして(株)ブイキューブ代表取締役社長の間下直晃氏を迎えて行われ、客席との質疑応答を交え「ベンチャー企業のグローバル戦略の成功要因と今後取り組むべき課題」を主たる話題として活発な意見交換が行われた。
―まず、日本のベンチャー企業が海外に進出する際に考慮すべき問題の一つとして、日本市場と海外市場における事業規模の配分バランスについて教えていただきたいのですが。
(阿部氏)海外市場に進出する際、現地市場における対象商品への需要規模が果たしてどの程度あるのかということは必ず考慮すべき問題の一つであると思います。それに加えて、商品そのものが持っている優れた製品属性を作り上げること、そして現地のニーズを満たすためのローカライズ作業を徹底して行ったことが弊社の成功した最も大きな要因になったと考えています。業界の構造や消費者のニーズは非常に激しく変化しているので、そのような変化に対応できる力をきめ細かな現地化作業によって育てていく努力が必要ではないでしょうか。
(間下氏)日本市場は世界的にみても大きな市場であるので、リスクヘッジの側面から考えると、国内市場での事業展開が有利であるとも言えます。弊社の場合、世界に通用するコミュニケーションツールを持っているという自社商品に対する自信が海外進出の直接要因となりましたが、需要のある国内市場に対象商品を集中的に投下した方が短期的利益につながるということは確かな事実でありますので、規模の成熟していない海外市場の成長可能性を将来の収益源としてみなすべきかどうかは非常に悩ましい問題ではありました。業種・業態によっては、日本市場で展開してこそ商品価値が発揮されるものもあり、国内にとどまることがむしろ正しい選択になり得るケースもありますので、国内市場に集中することが一概に間違っているとは言い切れない側面があると思います。まずは、自社商品の持つ価値を市場ごとに正しく位置づける作業が必要になるでしょう。
―今のお話を聞いていると、逆にそのような市場に対するフィルタリング作業を行った結果、当該市場における成功可能性が少しでも見出された場合には、その市場を積極的に攻略すべきであるとも捉えられると思いますが。
(長谷川氏)日本とアメリカでは新しい商品やパラダイムの受け入れ方が多少異なっていると思います。日本企業の場合、市場ニーズが成熟し、対象商品が市場内においてある程度検証されてからメイン戦略に取り入れる傾向がありますが、米国企業の場合、開発段階から実用化以降の応用分野をも想定しつつ戦略立案に臨んでいます.このような将来の商品価値を見極める判断基準に関する日米間の相違は非常に大きいと思います。その意味では、東出教授がおっしゃったように、海外市場におけるビジネスチャンスが見出された瞬間こそが参入に乗り出す適期であるともいえるのではないでしょうか。
(間下氏)日米のソフトウェア業界を比べてみると、商品の完成度に対する許容範囲もかなり異なっています。日本企業は、作動時のバグを徹底して修正し、完璧な品質のソフトウェアに仕上げてから市場に出すのに対し、米国企業の場合は、日本の基準では許されないようなバグを持ったソフトウェアが市場に出されることも少なくありません。海外に進出している日本企業にとって、迅速な意思決定と商品の完成度という二つの課題をバランス良く両立させることは達成しづらい問題ではありますが、このような両市場の間に存在する大きな溝を埋めていくことは、当該市場における優位性の確保につながるものでもあります。
(阿部氏)海外戦略の成功要因に関連し、もう一つ重視すべき問題としてあげられるのが現地化作業です。市場によって、個々の消費者の求めているものは大きく異なってきます。単に良い品質の商品を作るだけではなく、開発段階から異なった市場におけるそれぞれのニーズを同時に満たせるための共通項をみつけ商品に反映させる仕組みを構築していかなければなりません。
―そのようなローカライズ作業による当該市場における成功の可能性を見極めるための諸過程において、最終的な意思決定の根拠となるものは何であるとお考えですか。
(阿部氏)市場の成長可能性を長期スパンで把握することだと思います。それに加えて、リスクに対しては幾分鈍感になることも必要ではないでしょうか。そこには、予想されるリスクを一つひとつ排除していくだけのロジックを備え付けた組織構造とリスクにある程度鈍感な経営者の経営マインドが同時に問われてくると思います。このような背馳した二つの意思決定主体が一つの事業目標に向かって機能するためには、組織全体の強い意志をいかに保持していくかが最も肝心な部分となります。
(間下氏)私の場合も、直観に頼って意思決定を行うことが多く、そのような直観は阿部氏がおっしゃったように、事業目標に対する強い意志により支えられているものだと考えています。当然背負うべきリスクは、あえて意識しないようにしており、戦略に対するきめ細かな評価作業も、意思決定の前ではなく、その後の戦略立案過程において考慮することが多いです。そして、弊社の場合、そもそも日本では進んでいて海外では進んでいない分野を見つけたことが海外進出の直接的な動機づけになったので、ある意味漠然とした成功可能性を見据えた上で直感的意思決定を行うことで、諸過程において生まれてくるビジネスチャンスを逃さずつかむことができたと考えています。
(長谷川氏)弊社の場合、海外に進出したことで、日本市場における数多くのビジネスチャンスを失ったのではないかという声が社内から上がったこともあります。しかし、市場に対する慎重し過ぎた評価作業を続けていると、海外市場に参入する適切なタイミングを見計らうことが非常に難しくなります。目先の利益だけではなく、世界トップ企業になるという弊社の企業理念に基づいて、海外進出の当為性を組織内の成員たちに納得させることが何よりも大切であると認識しています。
(阿部氏)実際、海外進出の成功可能性は極めて低いのが現状であります。無論、ヒット商品の多くは偶然の産物であるかのようにも見えますけれども、それは単なる偶然ではなく、様々な試行錯誤が根幹になってこそ生み出された偶然であると理解すべきです。このような「必然的偶然」を作り上げる組織体系を構築していくことが最も大きな成功要因であると考えています。「とりあえずやってみよう」という挑戦への強い意志も結局は諸戦略を実行する組織的基盤に裏付けられている側面が強く、組織全般において積み重ねてきた様々な試行錯誤から得られた自信が、直感的な意思決定への確信につながっていると思います。
―最後に、今日のテーマである「ボーングローバル」の実現に向けての今後の課題について教えてください。
(長谷川氏)これからのアントレプレナーにとって、海外企業での経験は必要不可欠になると思います。現地市場には市場分析だけでは表面化されない要因も数多く存在しています。海外市場におけるリスク要因と成功要因を正しく分析するためにも、現地の組織を経験していく中で学ぶべきものは今後さらに増えていくでしょう。
(間下氏)言語の問題も大きな課題のひとつであります。ただ、言語の壁は、メンタリティの改善により多少は克服できるものでもあります。この問題については、教育部門を含めた多角的アプローチから解決策を模索する必要があると思います。
(阿部氏)海外市場へ進出する際に乗り越えなければならない壁は散在しています。しかし、実際収益を生み出すものは商品そのものであり、グーロバルスタンダードを遥かに上回る品質の商品が作れる日本企業の場合、現地化さえ正しく行うことができれば、グローバルマーケットにおいて十分競争力を発揮できると思います。要は、グローバルマーケットで戦うだけのメンタリティをいかに育てていくかに成功のカギがあるのではないでしょうか。
―国内市場規模が元々小さい国では、企業の海外進出が必然的に諸戦略の選択肢として考慮されることとなるのに対し、必要十分な市場規模を持つ日本企業の場合は、国内市場の誘惑を取払い、海外に目を向けることが決して容易ではありません。今回の議論をきっかけに、日本ベンチャー企業のボーングローバルについて真剣に取り組むという認識がさらに広がっていくことを期待します。本日は大変貴重なお話、誠にありがとうございました。
WERU代表理事・早稲田大学商学研究科教授
東出浩教
ボーングローバルを語っていく中で最も重要視される要素は、世界と競争しようとする能動的姿勢である。しかし、多くのデータからも示されているように、日本社会全般に蔓延しているベンチャー精神の欠落現象は、起業へのモチベーションを大きく引き落とす原因となっており、海外市場に対する基本的な問題意識すら持っていないベンチャー企業も数多く見られるようになっている。本来積極的に海外市場へ目を向けるべき大企業の中でも同様の現象が起きている。
このような状況の中、今回の国際シンポジウムでは、先述した諸問題の打開策を模索する上でひとつのキーワードとして「ボーングローバル」という言葉を提示し、日本のベンチャー企業が目指すべき戦略的方向性についてグローバルマーケットへの進出に関連づけて様々な議論が進められた。コミュニケーション手段の飛躍的進歩により、海外市場との距離が大きく縮まったことで、グローバル化の波は中小企業やベンチャーそして小さな町工場に至るまで幅広く押し寄せられており、このようなグローバルマーケットに関連し日本企業が取り組むべき問題は、まさに今直面している現実の問題でもある。本日の基調講演やパネルディスカッションでは、ボーングローバルの概念を日本ベンチャー企業の更なる成長の原動力とするための施策について多角的な考察が行われた。しかし、ボーングローバルを追求していくことは決して容易なことではなく、本日の議論から示された戦略的課題に対する解決策にベンチャー精神が加わって初めて世界で戦える日本企業を多く生み出せる起業インフラを社会全般に整えることが可能になるであろう。
今後、このような問題に取り組むべく、早稲田大学アントレプレヌール研究会は、年に数回のセミナーを開催し、同様の問題意識を抱えている様々な分野の方々との交流を活性化していくことで、研究部門と実務の領域をつなぐ調整的役割を果たすと同時に、関連分野においてさらに充実した議論を重ねていくことで有意な成果が出せるよう諸活動に邁進していきたい。
WERU代表理事・早稲田大学商学研究科教授
東出浩教
今回の国際シンポジウムは、長きに渡り続いている厳しい現状を今一度立ち止まり真剣に見つめ直す機会になったのではないかと考えている。本日のシンポジウムがきっかけとなり、参加してくださった方々全員が日本におけるアントレプレナーシップやグローバル化の活性化問題に、自らのイニシアティブを持って積極的かつ持続的に取り組んでいくことを期待してやまない。
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