トップページ トップページ WERUへメール トップページ
WERUについて 年間スケジュール イベント 会員の活動紹介 会員募集
国際シンポジウム報告
2008年11月21日(金) 
参加費:無料(懇親会費 2,000円) 
会場:早稲田大学大隈講堂 地下1階 小講堂
共催: 早稲田大学アントレプレヌール研究会
早稲田大学 産学官研究推進センター/インキュベーション推進室
後援: 日本ベンチャー学会   (財)日本立地センター
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
協賛: ウエルインベストメント(株)
Dr. Robert J. Shillman Entrepreneurship Program


  講演およびパネルディスカッション
総合司会 WERU 理事  白倉 至
 開会の辞 WERU代表理事・早稲田大学大学院教授・インキュベーション推進室室長  
大江  建 
 歓迎挨拶 WERU代表理事・日本ベンチャー学会会長・早稲田大学大学院教授 松田 修一
  基調講演
  従業員と共に、幸せを紡ぐ “非上場企業” ジャスト」
     株式会社ジャスト 代表取締役社長 本多 均
  パネルディスカッション
  パネリスト プレゼンテーション
  ひとが生き生きと働くための源泉は何か
     株式会社リクルートワークス研究所 主任研究員 豊田 義博
働く人の“Happiness”
  WERU代表理事・早稲田大学大学院 教授 東出 浩教
 パネルディスカッション
  “個”を生かし幸せを紡ぐ起業と企業
第二部 早稲田ベンチャーフォーラムへジャンプ

開会の辞

開会の辞大江教授WERU代表理事
インキュベーション推進室室長
早稲田大学大学院教授
大江 建

 2008年は我々にとって,様々な転換の年であるといえる.
 まず,新しい代表理事を迎え,インキュベーションセンターをより良い場所へ移転することで,激変する環境に対応しつつ一層充実したベンチャー支援体制を整えた.
 そして中でも最も重要な変化といえるのは,「人を幸せにする起業家精神と倫理」という今までこの分野においてそれほど重視されてこなかったテーマを中心課題として取り入れたことである.
 このような新しい試みを背景として開催された今回の国際シンポジウムでは,(株)ジャストの本多均氏の基調講演により社員の幸せを追求する組織形態の事例を紹介していただく一方,パネルディスカッションで企業組織における幸せの具体的意味について今なお改めて考察することで,これからの時代に求められるベンチャー精神とは何かを明確に示していきたい.

ページ先頭へ戻る
歓迎挨拶

歓迎挨拶松田教授WERU代表理事
日本ベンチャー学会会長早稲田大学大学院教授
松田 修一

 今年で16周年を迎えた国際シンポジウムは,バブル経済崩壊直後であり,日本社会においてまだベンチャーという言葉が定着していなかった1993年にスタートした.当時,急激な株価下落や経営実績の低迷,国内市場収縮の影響を受け,数多くの構造的問題を抱えていた日本企業のグローバル化の必要性が浮上し,そのための収益モデルの確保が切実に求められている中,我々はその打開策として時代の流れに先駆けてベンチャー支援の問題に積極的に取り組んできた.
 このようなベンチャー育成・支援活動の一環として,まず大学における教育体制の不備に目を向け,「10年で100校のベンチャー関連講義の設立」を目標に掲げ産学連携を推進し,所期の目標は達成したものの,国外的には金融市場発の世界的不況のもとにあり,国内的には世界最大の高齢化社会である日本経済の行方が懸念されているなか,我々は今後におけるさらなる目標を示さざるを得ない現状にある.
 今回の国際シンポジウムでは,世界最大の高齢化社会であり,最も豊かな成熟社会でもある日本における人材資源の重要性を再認識し,「人が生き生きとしている国づくり」に取り組むべく,(株)ジャストの本多社長と(株)リクルートワークスの豊田氏をお招きし企業経営における新たなパラダイムを共に模索しようとしている.
 このような様々な試みが実を結び,高齢世代が積極的に参加できる社会,世代を問わず幸せに働ける社会が実現すれば,今後同様の道を辿っていくであろうアジア諸国の目指すべき国家像のモデルにもなり得る.その意味で,我々は今後そのような社会を実現するための一つの窓口になって,諸活動を積極的に続けていきたい.

 
基調講演

ジャスト本多氏従業員と共に、幸せを紡ぐ “非上場企業” ジャスト

株式会社ジャスト
代表取締役社長
本多 均 氏

 今年で創業39年目となる(株)ジャストは,現在ダストコントロール商品,ボトルウォーターの販売,そしてプリンター用のトナーの販売を主要事業としており,商品そのものや価格面における差別化要因は持っていないにもかかわらず,業績は順調に伸びている会社である.それは,差別化の対象を企業組織内部から見出し,「社員満足(ES)の向上」を差別化の主たる目標に設定することで,そこから得られた成果を成長の原動力に反映する仕組みを構築してきたことに起因するものである.
 まず,このような当社の行ってきた組織内部における差別化の経緯を初期・中期・後期に分けて説明したい.
 初期にあたる30年前,当社が抱えていた最も大きな問題は,社内に活力をつけることであった.そのために,積極的な採用活動を通じて若い人材を確保することに力を注いできたものの,今度は確保した人材のモチベーション向上の問題に直面することになった.そこで改めて待遇制度と福利厚生を見直すことで,組織成長につながるES向上に一定の成果を上げることができた.
しかし,せっかく確立したES向上の構造は,その後当社が安定期に突入し成長が鈍化してくるにつれ,本来目指すべき方向から外れてしまう結果となった.中期にあたるこの時期に当社は,さらなる成長を目指して,通信・PC・エコ事業をはじめとする様々な新規事業を展開したが,これらの新規事業が次々と失敗してから,社内にはモチベーション低下や将来に対する不安が広がり,退職者が続出してきた.これは更なる業績悪化と成長の鈍化につながるような悪循環をもたらしたのである.このような危機の中,我々は失敗の原因が上場を目指し差別性のない事業に進出した一方,利益や売上のみを重視しすぎたあまり,ES向上は忘れ去られてしまったことにあるという結論に至るようになった.
 このような中期までの諸課題を解決するための試みとして当社が行った戦略は,主に二つに大別される.その一つは,TOS(Total Office Service)事業体製の構築であり,このようにコア事業を選択し経営資源を集中することで,安定的成長の基盤を作ることはできたが,それを実現するためには一部の社員だけではなく,全社員が力を注げるモチベーションづくりが最重要課題として必要となる.
 そこで当社は非上場宣言をすると共に,社員持株会を設け,非上場企業のメリットを最大限に生かしつつ,社員満足をも向上させるといった中小企業ならではの差別化要因を徹底する成長戦略を模索し始めたのである.
 社員持株会という概念は決して当社独自の新しいものではないが,当時の社員300人全員が株主になり,株主総会にて様々な経営指標を公開することで社員自らが業績評価に参加すると共に,今後3年間における事業計画を提示することで,株主である個々の社員に将来に対する安心感を与えたことにおいて他社とは異なる差別性をもつ.
 諸問題を解決するために当社が行った具体的な取り組みとしてあげられるのが,カウンセリングシートによるモチベーション調査である.カウンセリングシートの結果から得られたデータを基に,社員のモチベーション向上を阻害する要因を特定し,それ

を徹底的に分析することで,社内における改善すべき問題への対応策を株主総会の場において社員たちに明確に提示することができた.また,それと同時に,抽出された問題を営業部が中心となり,階層別研修を繰り返し実施することで,人材育成と業務能力の向上を共に実現することができた.
 このような様々な試みは以下に示される「ES向上4つの施策」によってフィードバックされ,さらに具現化されることとなる.

  1. 冬季特別賞与の分配率を段階的に14%まで引上げる.
  2. 社員持株会の株価算定基準を段階的に引上げる.
  3. 配当金を段階的に390円まで引上げる.
  4. 週労働時間を段階的に56時間まで短縮する

 ESの向上を経営の中心概念にしたこれらの施策の効果は,個々の社員のモチベーション向上から肯定的波及効果として顕在化し,それがCSと業績向上につながることで,さらなるES向上を実現する循環過程を作ることができたのである.
 このようなESが中心となる「ES→CS→提案営業→収益→分配→ES」の循環過程を当社では「共創のサイクル」と名づけ,今後それを実現するために,社員持株会のさらなる進化形を目指している.
 「社員持株会の進化形」における核心的内容は,企業経営と人々が働く最終的目的を同一線上に設定したことにある.企業における売上と利益の拡大は,最終的にはステークホルダーの幸せを実現なするための手段であり,そのような目的を達成するための過程上の目標である.また,働く理由として多々挙げられる高い年収やマイホームの購入などといった個々人の目標も最終的には幸せの実現という目的を達成するための手段である.
 このように,両者の目的はいずれも「個々人の幸せの実現」へと帰結するのだが,問題は株主への配当を重視する昨今の傾向のもとでは,株主と社員を同時に満足させることは極めて困難であることにある.最近の調査をみると,株主への配当率と労働分配率は二律背反の関係にあることが分かるであろう.上場企業の場合,減益の状況において株主への配当を増額あるいは維持するために,労働配分率を抑える傾向が数多く見られる.当社はこのような企業が抱える問題を解決するために,非上場企業のメリットを生かし,企業と株主そしてそこで働く社員を共に満足させる仕組みづくりを模索した結果,「社員=株主」の組織体制を徹底してきたのである.
 このような企業と社員のWin-Win関係を構築するための努力の一環として当社では,営業利益の一部を株主である社員に臨時賞与として支給すると共に,増益分で純資産を増やし株価を上げることで,業績向上の成果を社員が享受できるような仕組みづくりに取り組んでいる.営業利益の増加分を社員に還元するという分配のルールを明確にすることは,自社株を所有している社員のモチベーション向上につながる諸過程において決定的役割を果たすものとなる.このような分配のルールを前提に,株主である全社員が経営に参画することで,収益の拡大は個々の社員の達成感を高め,会社の成長が自己成長であるとの認識を社員自らが持つようになって始めて,当社の行っている「社員持株会の進化形」の効果を企業と社員が共に享受することができるようになる.
 以上のような革新的試みは冒頭で述べた「従業員と共に,幸せを紡ぐ非上場企業」という言葉と共にある.会社と社員の幸せを追求する我々の試みはまだまだ進行形であり,このような努力が今後におけるさらなる発展の基盤となることを期待している.


ページ先頭へ戻る
パネルディスカッション

パネリスト プレゼンテーション

豊田氏「ひとが生き生きと働くための源泉は何か」
株式会社リクルートワークス研究所
主任研究員 
豊田義博


 1990年代に入り,日本経済を取り巻く環境,特に経営のあり方や雇用形態が激変していく中,企業組織における成員間のコミュニケーションが劣化し始め,その結果個々人のもつモチベーションの希薄化が顕著になってきた.いわば,それまで日本経済を支えてきた企業風土が崩れ始めたという認識が広まってきたわけである.このような背景から,今回のシンポジウムのキーワードである「幸せ」に関する考察に基づき,人が生き生きと働くために必要な源泉的要因は何かについて述べていきたい.
 組織における個人のもつモチベーションを向上させる誘因は,大きく組織・仕事・社会・形式的報酬に分類されるが,これらの要素は組織環境の中で混在しており,モチベーション向上に直結する誘因を特定することは非常に困難である.このような事実

は,個々人を満足させる誘因をそれぞれの個別特性のもとで内在化する最近の傾向に起因するものであり,今後においては4つの外部要因との関係性に加え,それぞれの成員に内在された自己アイデンティティをいかにモチベーション向上につなげるかに関する研究が必要になってくると考えられる.
 この問題に関していくつかの定量分析を行った結果,14項目のモチベーション向上誘因が抽出され,さらにそれらの誘因を職種別・企業別の相違性を考慮したうえで「外部要因-内部要因」「感情的要因―物理的要因」という両軸にそれぞれ位置づけることで,組織と仕事との関係という外部誘因と,内部誘因である本来感に有意に影響しているコア要素を明確に示す普遍的構造(モチベーション・パス)が見出された.
 企業は,このような指標化作業から構築されたフレームワークに基づき,モチベーションを高めるそれぞれの項目を人事施策として強化・改善していくことで,組織員の満足度を向上させ,さらには幸せを感じる個々人の源泉的欲求を満たすことも可能になるであろう.


東出教授「働く人の“Happiness”」

WERU代表理事・
早稲田大学大学院教授 
東出浩教


 従来における幸福度の測定は,期待値とその後の成果を回想方式によって比較する方法が主流であった.しかし,このようなアプローチは,諸過程の起点となる期待値を低めることで幸福度向上に関する諸問題を解決しようとする傾向にはまりがちであり,幸福度を高めるための根源的解決策であるとは言い難い側面があることから,近年その有意性に対し疑問の声が高まっている.
 実際,世界各国の幸福度調査を見ると,成熟社会,いわゆる先進諸国の幸福度の低下は顕著に進んでおり,このような世界的傾向のもとで,日本は今後どのような社会,どのような企業組織を目指していくかについて,従来とは異なる新たな観点から取り組んでいくべきであろう.

 日本は,所得水準に比べ幸福度が低いグループに属しており,そういう意味では世界的トレンドに類似した傾向を示しているが,その一方で,幸福度の決定要因とされる「健康・信頼・価値観・金」の中でお金に対する重要度が低いという点では,世界的傾向とは異なる特殊性も共に持っている.特に,幸福度を決定付ける要因重要度調査において仕事や価値観の占める割合が大きいとういうデータから考えると,人々を幸せにすることに関して,企業組織の役割が大いに求められている国であるともいえる.
 最近の調査では,組織成員間のコミュニケーション・関係性,そして成果報酬や業務内容が幸福度の関連項目として挙げられているが,その中でも業務内容は幸福度に加え,モチベーション向上とも連動していることから,従業員の業務能力をいかに育成するかに関する問題は一層その重要性を増している.こうした個別の知的特性を組織内で構造化し,従業員のエンゲージメントを高めるための取り組みが先行条件として定着したとき,組織で働く個々人の幸せは必然的に随伴されるものであると考えられる.


パネルディスカッション 「“個”を生かし幸せを紡ぐ起業と企業」

 今回のパネルディスカッションは,「“個”を生かし幸せを紡ぐ起業と企業」をテーマに,WERUの代表理事である東出教授の司会のもと,(株)リクルートワークス研究所の豊田義博氏を迎えて行われ,客席との質疑応答を通じて「起業家精神と企業倫理との関係」「個人を尊重する施策のリスク」を主たる議題として活発な意見交換が行われた.
 企業倫理の問題は,組織意思を重視するこれまでの傾向に起因している部分が大きい.企業の経済活動が組織全体の意思に左右され,業績優先の方向に偏った際,倫理的問題が浮かび上がる余地が随所で生じるような結果をもたらす可能性は非常に高くなる.業績拡大と倫理という場合によっては対称線上にある二つのファクターを両立させる解決策を明確に示すことは容易ではないが,組織内の個々人の意思を尊重することに政策的焦点を当て慎重に分析することで,解決策の一端が見えてくる可能性がある.調査の結果,業績につながる要因とされるエンゲージメントの高い従業員の場合,自らが所属している企業組織の社会的貢献度を満足度における主たる項目であるとの答えが多かった.この事実は企業倫理問題の解決において個人の意思を尊重する政策的変化が重要な役割を果たす可能性を示唆している.その具体的施策を設けるために今後さらなる取り組みが具体的な形として行われるべきであろう.
  しかし,個々の従業員の満足度を高めるための人事政策には,様々なリスク要因が散在していることも否定できない.実際,個人を重視する政策が行き過ぎ,放任の状態に陥っている組織

パネルディスカッション

も少なくない.そこで諸政策を統制・調整する管理能力が問われるようになる.無論,管理能力の不在に伴うリスク要因が諸政策の阻害要因の全てになるとは言い難い.それに,従業員の幸せを諸政策の中心に位置づけた際に得られるものは管理機能のもつリスク要因がもたらしかねない負の効用を埋め合わせるに十分なメリットを持っている.最も重視すべき問題は,そこにどのようなリスクが存在しているのかではなく,予想されるリスクを排除するだけのロジックを備えた組織体質をいかに助成するかである.

ページ先頭へ戻る
第一部 講演およびパネルディスカッションへジャンプ
  第11回 早稲田ベンチャーフォーラム (事業計画の発表会)
  事業計画発表
 1. MICS Communication Planning Office 代表者名:小谷 征央
 2. テクナビ 代表者名:山口 義昭
 3. 仁礼株式会社 代表者名:記内 現
 4. ファーピース株式会社 代表者名:池田 徹平
 5. ライフサポートロボット株式会社 代表者名:安藤 健
 MOOT CORP 2008® Competition(英文ビジネスプラン・コンテスト)
  “i-waseda” 早稲田大学チーム 安藤 豊
 国際シンポジウムの全体の総括と2009年度WERU計画
              WERU代表理事・早稲田大学大学院教授 東出 浩教
  最優秀者決定 審査結果報告・表彰
 審査結果報告・表彰
              WERU 理事・ウエルインベストメント(株)代表取締役社長 瀧口  匡
 閉会の辞 WERU理事・
(株)大和総研 新規産業調査本部 産学連携調査部 主任研究員
耒本 一茂
  交流会
 懇親会
国際シンポジウムの全体の総括と2009年度WERU計画

WERU代表理事・早稲田大学大学院教授
東出浩教

 性悪説に基づき従業員の管理能力を企業経営の第一項目とみなしてきた現代資本主義における経営管理理論は,様々な問題点を露呈しつつも欧米を中心に長い間支持されてきた.しかし,このような観点は最近の世界的金融危機を起点として終焉を迎えるようになり,今後は個々の従業員を大切にし,共に満足できるようなマネジメントのあり方を模索することが問われるようになるであろう.その意味で,本多氏の講演は変化しつつある組織マネジメントの目指すべき形態への示唆となった.
 今回のシンポジウムでは,「幸せ」をキーワードに,企業における幸せを実現するための要因としてモチベーションや本来感,知的特性,エンゲージメント,そして企業倫理などといった概念を用いて議論が進められた.しかし,これらの要因は,それぞれの行動主体が自らのイニシアティブをもって積極的に実行し,組織環境へ絶えず反映しようとする努力が先行されて始めて意味を持つものである.今日示された各要因にそのようなベンチャー精神が加わったとき,これまでとは異なった新たなフレームワークが生まれてくる. 幸せに関する研究はまだまだ未開拓の分野であり,特に企業組織との関連性に関しては極めて少ないのが現状である.今後,アントレプレヌール研究会は,このような問題について中心的役割を果たせる幸せ研究のハブを目指している.その具体的活動計画として,年に4回のセミナーを開催し,同様の問題意識を抱えている様々な方々との議論を行うと同時に,事例研究や科学的データに基づいて多数の論文を発表することで,幸せ研究における学問的・実務的体系を構築していきたい.

MOOT CORP 2008 Competition
発表者報告

MOOT CORP発表者i-waseda
安藤 豊 さん

 MOOT CORPは,最も歴史の長い大学間対抗ビジネスプラン・コンペティションであり,ここから起業を実現するケースもあるなど,アカデミックの枠を超えたカリキュラムと目されている.
  Asia MOOTは,アジア各国の大学が参加する大会で,5月にアメリカで開催される世界大会のアジア予選会も兼ねている.
  今回日本から唯一出場した本学チーム「i-waseda」は,早稲田大学高等研究所 客員准教授岩田浩康博士の特許「感覚検出呈示装置及び歩行リハビリ支援装置」をベースとしたビジネスプランを発表し,準決勝に進出して副賞1000ドルを授与された.
  来年出場を目指す人へのアドバイスとしては,発表時間の厳守とともに聴衆を引き付ける表現力・パフォーマンスが求められるので,発表練習を積んでプレゼンスキルを磨くなどの事前準備を怠らないことがまず挙げられる.また,ジャッジのアドバイスによりプレゼンをブラッシュアップするなどの現場対応力も必要となる.


早稲田ベンチャーフォーラム審査結果

 本ビジネスプランコンテストでは,100万円を上限としてウェルインベストメント株式会社より賞金が授与される.今回の受賞者は以下のとおり.
 最優秀賞
 「仁礼株式会社」 (副賞100万円)
 最優秀賞
 
「ライフサポートロボット株式会社」
 「MICS」
 「テクナビ」
 「ファーピース株式会社」

詳しくは「早稲田ベンチャーフォーラム報告」をご覧ください.

最優秀賞仁礼株式会社最優秀賞「仁礼株式会社」紀内氏(左),ウエルインベストメント瀧口社長(右)

ページ先頭へ戻る
閉会の辞

WERU理事
(株)大和総研 新規産業調査本部
産学連携調査部 主任研究員
耒本 一茂 様

 近年,経営者に必要なことは何かに関する議論が活発に行なわれている.今回の国際シンポジウムは,「幸せ」をキーワードに,不確実性に満ち溢れている世界経済の下,我々はどのような社会,どのような企業を目指すべきか,そしてそれを実現するための具体的施策が何であるかという問題について実感できる場になったのではないかと考えている.
 このような問題の解明は決して容易なことではないが,今後とも諸活動を積極的かつ持続的に行ないつつ,有意な成果を出せるよう邁進していきたい.


●たくさんのご来場ありがとうございました●

ページ先頭へ戻る